最近ご注文をいただき製作しました真鍮サムフック2種を、ご感想とともにご紹介いたします。
最初にマルカートソプラノ用のサムフックです。こうやって図面などのやりとりもいたします。これはネジ穴だけの問題ですので特注にはなりません。:GWに入り、真鍮G型SSSをマルカートのソプラノでゆっくり試しました。雑誌「The Sax」95号の中山様の評のとおり、「楽器との一体感がある」と思いました。何か特定の音色が付くのではなくて、楽器がもともと持っていたポテンシャルを引き出してくれるような印象です。別のプラスチックやメタルのサムフックに戻しつつ何度も試してみましたが、低域は裏返らず安定し、高域、特にフロントFキーの当たりが良くなります。全域に渡って音色がまとまり、音程の跳躍もスムーズになるので、吹いていて楽しさが増します。お蔭さまで、何度調整しても吹きにくかったソプラノが使えるようになりました。鳴りの良さと指当りの柔らかさを両立したサムフックは数が少ないので、たいへん助かりました。事前にフックの大きさもご相談して下さり、ありがとうございました。
次のソプラニーノはリング付きの特注です。特注例のG型のリング付きだと横に広くケースに収納できなさそうなので、O型にリングを付けられないかというご要望です。O型で裏面を浮かせたサムフックは他社にございますので製作しておりませんが、これはリング付きの特注品ですので受注いたしました。大変喜んでいただきましたが、まだ受け取ったばかりということで調整が必要かもしれません。写真は私のソプラノです。
この雑記も300回を迎えました。毎月2回、12年半です。たくさんのお客様に支えられてここまでやって来られました。大変ありがたく感謝申し上げます。プロの方のご愛用も大変多く、心強く励みになります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 |