大狸さん身の丈2寸7分、小狸さんは1寸足らずの9分。大狸さんは立派な祠を作ってもらいましたが、小狸さんなんてのはトイレの神様だって祭り上げられたってぇのにお家がありません。神様にお家がないなんてバチがあたります。可愛いの作ってあげなくてはいけませんよ。
大狸さんのお家の柱は桐材でしたが、小狸さん家の柱は太いの使えませんから木材では折れてしまいます。まずは柱探しです。竹ひごなんてのもありますが、カッコ悪いです。ちゃんとした材でこさえないといけません。竹がいいんじゃないの、てな訳でそこらの笹藪に材料探し。使えそうな枯れたいい具合のを見繕ってきます。こんだけの小作りなお家ですからチョチョイと刈ってきたかと言いますと、青いのも含めて一抱えの笹刈りです。そん中から選りすぐって、使ったのはほんの少々でほとんどは捨ててしまいました。いい材料ばかしの贅沢な作りなんですよ。3mm、いえ太さ1分の立派な竹柱を立てて軒も竹材を麻紐で縛り上げ、屋根は細竹で葺いて、太さはノギスで測りますと0.9mm、3厘ですね。小さな神様のお家が出来上がりました。台は写真ではよく分かりませんが、神代杉のかけらを焼いたものです。こうやって見てみますと、そこそこの真竹の造作に見えますね。きっと、腕のいい大工さんの仕事ですよ…誰も褒めてくれませんので自画自賛ですが…。
以前はオジさんの住んでいる三鷹でも狸さん時々見かけたんですが…どこ行っちゃたんだろ…みんな神様になっちゃったのかな…。 |