前号ご紹介のストラップにセットするスライダーができました。28mm x 20mm の素敵な象牙のスライダーです。
4年前の、雑記150の桐箱に収まっていた象牙です。いつか根付けを彫ろうと思っていましたが、こっちの方にしました。ちゃんとしたとこで購入しましたよ。まだカケラがいくつか残っています。色々とスライダーを考えたんですが、以前販売していたこのヴィーナスのお尻に落ち着きました…ん、ヴィーナス?…。この時の銀のヴィーナスは、ロウで彫刻して原型を作りましたので何度かやり直しがききましたが、今度はそうはいきませんで一発勝負です。素材の象牙は円柱です。まずストラップを通す穴を決めなければいけません。象牙の目を見て仕上がりを想定し、穴を通す部分を上から見ると下の丸い凸型に、円柱に垂直にバンドソーで切り出します。そして凸の部分に、前号で紹介した寸法でドリルで穴を開けます。ここが決まれば、あとは鉛筆でラフな形を描いてバンドソーや薄い小さなノコで形を切り出します。彫刻は金ヤスリ、ルーター、彫刻刀で…削りすぎてはいけませんから丁寧に少しずつ…。仕上げはトクサを掛けて、そのあとシルバークロスとメガネ拭きのマイクロファイバー…ところがトクサって結構削れるんですね。表面が筋張ったり、またシルバークロスがいけなかったのか艶が出過ぎで…やり直しです。今度はプラモデル用のヤスリティックというのを掛けて、仕上げはマイクロファイバーで…品のいい艶に仕上がりました。
世界広しと言えども、象牙のこんな素敵なスライダーを持っている人なんて多分いませんよ。また一つ、オジさんの宝物が増えました。
|