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girot雑記

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2012年9月16日 カラスウリ

その44

 

カラスウリ

 

 夏の夜の真っ暗闇の中にフワッと開いた、白いひらひらレースが意味ありげのなんとも妖しい花なのでありますよ。

 冬の晴れた日に、枯れた梢にぶらんと赤いカラスウリ。きれいでのどかな風景ですが、カラスウリの花って見たことありますか。つるにぶら下がったカラスウリの実は、生け花なんかにも使いますから知っていると思いますが、花を見たことのある人は少ないようです。別に珍しい花ではないのですが…東京では8月から9月にかけて咲きます。今頃はもう花も終わりに近く、縞の入った青い瓜も成っています。暗くなってから咲き始め、夜明け前にはしなびてしまいますからあまり人目にはつきません。とてもきれいな花です。この花、種類や雄花雌花の違いで大きさやレースの具合がいろいろですが、個体差も大きいようで、撮影した花はあまりレースが大きくなく、もっとみごとなレースの花もありますよ。運が良ければ、その辺りの垣根にからんでいますから見られるかもしれません。

 秋になりカラスウリが赤くなって、実を割ると中から納豆みたいなネバネバのタネが出てきます。これ、脚に塗るとスッとして脚がなんだか軽くなり、速く走れそうな気がしてきます。ちょうど運動会の頃ですから、小学生だったオジさんはこのネバネバを脚に塗って、1日でダメになってしまう運動会用の白い足袋はいて、足袋はだしで走る徒競走に備えたものです。脚が速くなる…東京の下町ではそんな風に信じられていました。

 タネは黒っぽい打出の小槌に似た形で、ネバネバをきれいに洗って財布に入れとくんだそうですが、オジさんは捨てちゃったので、お小遣いが足りません。こんだ採ってこよ。