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雑記

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2015年5月1日 包丁研ぎ

その107

 

砥石の砥石

 

 真ん中が凹んだ砥石は、紐で結わって道路を引っ張って歩いて削り、それから砥石と砥石をこすり合わせて平らにする…なんてのを昔々聞いたことがあるような…。今時、こんなの連れて散歩した日には救急車が飛んできます。面直し砥石という便利なのがありますから、それ使いましょうね。

 包丁は薄く研ぐほど良く切れますが、あんまり薄くしますとすぐに刃が欠けてしまいます。また、あまりツルツルにしますと切った素材の断面は綺麗ですが、刃の引っ掛かりが悪く切れ味が良くありません。で、どうするかといいますと、25度程に研ぎあげた刃先に30~35度程の角度を付けて、0.1mm前後の幅に細かいノコギリ状の小刃止めというのを付けます。中砥あたりで、刃と直角の方向に研ぎます。そうしますと、切れも良く、持ちも良くなります。よし、やろうかってんで砥石を引っ張り出しますよ。そうしますと、大抵のお家の砥石は亡くなったお爺ちゃんが使ってたもので、真ん中が凹んで丸くなっております。そんな砥石では、普通に研いでもあまり切れる包丁にはなりません。まして、小刃止めなんて高級な技は無理です。砥石は平らでないといけません。この面直し砥石、お客さんの砥石も一緒に水にたっぷり漬けて、金剛砂を振って研ぎますと、綺麗に平らにお化粧直し出来ます。

 時々、オジさんは研ぎ屋さんになります。息子のお嫁さんも包丁持ってきます。砥石も平らにして、いいお爺ちゃんでありますよ。