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girot雑記

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2011年3月16日 道具作り

その8

 


 

 趣味多彩なオジさんは、一時期ヘラブナ釣りに凝っていました。真ブナと違って難しいんですよ。釣りもですが、道具作りも大好きです。釣りの道具なんてのは沢山ありますからあっちっこちで楽しめます。仕掛けを作る針や糸やハサミなど入れる道具箱もいろいろ作って仲間に上げます。凝ったやつといいますと、何百年も経ったお寺を解体したときに頂いた上がりかまちのケヤキをくり抜いて、国産の漆で拭き上げた自称重文級の道具箱です。これも差し上げました。

 ウキも随分と作りました。ヘラウキは季節や釣り場、水深、えさなどで沢山の種類が必要です。一般にはクジャクの羽で作ったものが売られています。羽の軸の裏側を削り取って2枚とか3枚とか貼り合わせて作ります。クジャク作りに飽き足らなくなったオジさんは葦の茎で作ろうと、釣りに行く度に魚はそっちのけで斑紋のある良さそうな葦を探し回ります。ウキは材料を舟形に削って貼り合わせて、糸をぐるぐる巻いて形を整えて作ります。クジャクですと軸の中にスチロールみたいな中綿が入っていますから接着は比較的楽ですし、羽は柔らかいので形を整えるのもそう難しくありません。葦はといいますと、茎の中は空っぽです。材質も硬いので2枚合わせという訳にはいきませんで、3枚とか4枚とか貼り合わせなくては形になりません。接着するにも中綿がありませんし、薄い茎の断面同士で貼らなくてはなりませんから大変です。でもそこは腕のいいオジさんのことです。流れのある大河から真冬の静水でのウキまできれいに揃えました。見栄えだけじゃありませんよ。いい釣りをしました。

 どっちかと言いますと、趣味本体よりも道具を揃えたり作ったりが好きなようで…。サックス、上手になりたいな。

 我が家は東京郊外の三鷹市というところですが、先日の地震は家内と二人で家におりました。ベランダの植木鉢はメチャメチャで、屋内のあちこちに置いてあった緑も全部落ちて鉢が割れて泥だらけ、CDも全部落ちてケースが割れたりディスクが傷ついたり、本だのファイルだの置物だのファックスだの落ちて…わたしは倒れそうなテレビと金魚鉢を支えて、地震が何より恐い嫁さんはパニクってどうにもならず、あっちでガチャンこっちでガラガラ…もうダメかと思うほど長い地震でした。幸い物が壊れただけでケガもせず、子供たちや親族も皆無事でした。被災地の皆様、お悔やみとお見舞い申し上げます。また朝は来ます。どうぞ立ち上がってください。