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雑記

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2017年12月1日 鞘と柄

その169

 

鞘と柄

 

 最近作の刃物のサヤとツカです。鞘は4つ共作りましたが、柄は1つだけで他の3つは握りを藤で巻いたものです。

 一番下の切り出しには、ツツジの枝を削って口を藤で締めたかわいい鞘を、その上の切り出しには竹の鞘をこさえました。一番上は竹割りナタで、薄い板で鞘をこさえ薄い皮を貼って口の部分に藤を巻き、刃が飛び出ないよう同じ皮のホックの止め帯を付けています。この皮は材料箱にあったもので、随分昔にどっかでトカゲかなんかの端材を見つけて買ったんだと思いますが…。結構いい感じですよ。ここまでは大したことありませんが、2段目のナイフに誂えたのはすごいですよ。土佐の鍛冶屋のナイフで、元々は下の切り出しのように握りの部分も刃の部分と同じ厚さです。で、使いやすいように握りを太くしたいです。まず、3mmの真鍮板を3枚重ねて柄頭と口金をこさえるんですが、柄頭の真ん中の板は刃物に合わせて2mm幅ほどのU字型に削り出します。これを上下の板で挟みロウ付けします。実際は刃物は3mmより少し厚くデコボコしているのでそれに合わせて上下の板も削ります。口金も同じで、リング状にしたものをはめ込みます。両方とも刃物にセットしてからまたろう付けし、ヤスリで綺麗に削りあげます。で、口金と柄頭の間に桐板でこさえた柄をはめ込み、仕上げに山葡萄の蔓を巻きます。鞘もすごいですよ。渋谷のハンズまで出かけて仕入れた皮でこさえました。皮を水につけて伸びやすいように準備して、ナイフにきつく巻いてクリップで細かく止めて乾かし形を作ります。これ裏から撮るとよかったんですが、真ん中で綺麗に平らに縫い合わせています。仕上げには靴墨なんぞ付けて磨き上げます。

 土佐のナイフは良く出来たんですが、やっぱり真鍮より鉄の方がいいかな…作り直そかな…ちょっと悩んでるオジさんなのでありました…どしよ…。