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girot雑記

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2012年12月1日 禁じられた遊び

その49

 

禁じられた遊び

 

 サックスが上達しないオジさん、これまで全く楽器に縁がなかったかといいますと、昔々ギターを少しだけいじってました。きっかけは黒いオルフェという映画の、子供たちがギターを抱えてサンバを踊っていくラストシーンです。で、サンバをやったかといいますと、目指したのは禁じられた遊びでした。ギターと言えば「禁じられた遊び」だったのです。

 その頃住んでいた東京は下町の根津、銭湯に行きますとたいていモンモンさんの1人2人いらっしゃいます。お風呂アッツイですから、水道の蛇口のそばで水ジャージャー出して入るんですが、怒られませんよ。ご近所にはとても丁寧です。で、お隣にそのお方が小さな一家を構えておりました。皆さんとてもきちんとしておりまして、子供の私にまで両手揃えてご挨拶します。ある日、そのお隣の若い衆がウチにやってきまして…あの、ギターを貸して頂けるでしょうか…あ、どうぞ…。オニイさんは嬉しそうにギターを抱えて行きます。しばらくするとお隣からギターの音が聞こえてきます。…禁じられた遊び…です…。あのオニイさん、カタギになれたのかな…。

 当時、回りにギターの仲間もいなくて情報も無く、よく分からないまま楽譜集を買って練習していました。ギターの弦は6本です。楽譜にオタマジャクシが並んでいますが、多いところは6コもお団子になっています。上にコードネームも書いてあったと思うんですが、そんな意味なんて分かりませんから、1コ1コフレットを勘定しながら6本の弦を押さえていました。コード表というのがあって、それ見れば簡単…ナンて知ったのはずっとあとのことです。そのくらい情報の少ない時代でした。高校終わりの頃、ラジオから流れるモダンジャズというのを聞いてとても好きになったんですが、自分のギターとジャズが結びつきません。どちらかというとフォークソングの方で、それも学校を卒業してからは縁遠くなり…。

 黒いオルフェに魅せられてサンバとかボサノヴァやっていれば、今頃もっとジャズっていたのかも…。禁じられた遊びじゃなかったな…惜しいことした…。